2010年1月29日金曜日

SNSに必要なのは「温度差」が生じないグルーピングだ

出会い系にしてもSNSにしても、積極的に人間関係を
結ぼうとしない人が、「草食系」「引き込もり気質」などと
揶揄される傾向がある。
そうでなくても、SNSにおいては、メインの使われ方は
「既に知り合いである人との交流」であって、「新しく
人と知り合おう」という人はとても少ない。

でも、彼らは何故、「人と交流するための場」においてすら
交流に積極的になれないのだろう?

それは、おそらく「積極的な人間」への不信感と、
「自分も積極的になることで、信頼を損ねるのではないか」と
いう恐怖だと思う。


昨今、電話にしても電子メールにしても、知らない人からの
コンタクトは一様に「金目当て」か「恋人探し」だ。
出会い系のサクラ問題、婚活において積極的な女性の傲慢さの噂も
人々の消極性に関与していると思う。
ネットにおいては「知らない人は信用しない」がデフォルトなのだ。

交友関係を広げることが有意義だというのは多くの人が
認めるところであるけど、慎重に行わないと騙される、と
警戒する気持ちは、多くの人にとても強い。

人間関係を損ねる原因の多くは、金と恋愛であると思う。
必ずしも原因になる人がトラブルメーカーだとは限らず、
ただ温度差があるだけで、「信用できない人」になりがちだ。

学校や会社の人間関係、昔の田舎の人間関係には、
「長い間一緒にいるのだから、互いにいがみ合うと不幸になる」と
いう一定の歯止めと、「互いに監視し合うことで最低限の
信用を提供する」というシステムがあった。
もちろんこれが最も優れた形態だというつもりはない。
こうした人間関係は、一度気まずくなってしまうととても
深く憎しみ合う事態になりがちだし、どうしてもはぐれ者、
いじめられっ子が出てしまう。

しかし、現状のネットの人間関係はあまりに表面上の
触れ合い以上に踏み込めず、あるライン以上には
決して人を信用できなくなってしまっているのではないか。

ネトゲなど、比較的深い人間関係を結ぶシステムを
構築しているコミュニティもあるが、これも
「業者」と「ナンパ」という人間関係の信頼を損ねる
存在が入り込むリスクを排除しきれていない上に、
ネットコミュニティの利点である「気軽さ」に
欠けるところがある。

取り扱う人数が多すぎる現状、昔の貴族のサロンのように
知り合いが知り合いを紹介する、という形式もうまくない。
運営の監視の目が行き届かなくなるのだ。

SNSの参加にせいぜい数百円以上のお金を使う人が
いない現状、システムの運用を企業が行うことにも限界が
ある。となると、ある程度のボランティアと自治性に
託すシステムしか可能性は残らない。


まとめてみよう。

・ネットを通じて知らない人とも交流したい人は多い

・フィーリングの合わない人を恐れるあまり
 うまくいかない事例がとても多い

・「合わない」の原因の多くは、金銭と恋愛に
 対する執着の強さの違いではないか

・そうした要素を、最初に区分けして
 グルーピングすれば、ある程度は上手くいくのではないか

・もちろん、それでも合わないことは多いと
 思われるので、出入りの自由と適宜のシャッフリングは
 必要となる

・そうした「上手く行きそうな」システムには
 お金をかけられない。
 ボランティアで運用を行いたがる人がいるか、
 というと疑問だ。


じゃあどうすればいいか?

AppleとかGoogleとかYahooとか、巨大企業や、
地方自治体あたりが「自社の地位向上」と
「ネットの人間関係の適正化」という題目で
大きなプロジェクトとして行う、くらいしか
可能性が見えないなあ・・・。


ちょっと考えたのが、「オフ会を前提としたSNS」。
オフで会ったことがあるかどうか、というのは
人の信頼感に大きく影響すると思うのだけど、
とにかく心理的な敷居が高いのよね。
騙したり騙されたりのトラブルも規模が大きく
なりがちで、また、オフで会うとなると、
地域的な偏りが問題になる。そこをどう解消するか。

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