2010年2月9日火曜日

同人作家の自意識の話と正当な評価活動について

厨二病に限らず、人は割と「正しい自己評価」が
できないものです。だから、不安になって「俺って
どう?」ってのを他人から聞きたがる。

見慣れてるから気付かなかったけど、自分で思ってるより
自分は不細工だったり、逆に顔はそんなに悪くなかったり。
親切のつもりがウザかったり、コミュニケートできてる
つもりが互いに不満だらけだったりと。

で、まあここから同人作家のメンタリティの話。

ある時、同人作家さん二人の会話を横で聞いていたら、
「俺の今回の本はこういう感じで」
「そうか、俺はむしろこういうのを描きたくて」
「まあ、俺も前の本でこういう事をやってたから」
「うーん、俺は多分こういう方向でいきたいんで」
という感じで、互いに自分の事しか話してなかった
なんてことがありまして。
スゲエ、これでこの人達会話してる気になってるんだ、と
むしろ感心してしまいました。

他人から評価して欲しいというのは誰しも思うのですが、
だからといって他人を評価する、というのはそれなりに
厄介ごとを背負うというリスクがあったりします。
関係を築く上では必要なことではあるのですが、まあ
基本的には良い点を指摘して、「指摘されない点が要改善
なんだよ、空気読んで察してね」という感じが一般的かなあ。

こと漫画に関しては、絵柄の方向性を見定めて、そこに向かって
精進する必要があるよね、なんてのは誰にでも当てはまるし、
ストーリーに関しても「テーマとかメッセージをもっと前面に
押し出す感じにするといいんじゃないかな」とか言っておけば
アドバイスとして成立しちゃうわけです。

だから、同人作家さんと話をする時は、「俺はこうだ」とか
「俺ってどうよ?」じゃなく、

「あなたの絵は私は好ましいと思うけど、時々顔立ちが
上手く定まらない絵があるので、一コマ一コマ丁寧に
描くのを心がけるともっと良くなると思う。
話も、笑いなり泣きなり萌えなり、表現にセンスがあるなと
思うけど、『考えさせる』のではなくてストレートに表現したい事を
描いちゃった方がキャッチーでいいんじゃないかと思うところもある。
だから、厳しく見れば至らない部分が目につくかもしれないけど、
それは伸びシロがある、ということでもあるので頑張って欲しい」

・・・とか言えば、誰にでも当てはまるし、誰でも「そうか、頑張る!」
ってなるんじゃないかな。プロでやってけるくらいのレベルの人だったら
「そんな編集者みたいに抽象的な事言われてもわかんねーよ」って
なるかも知れないけど。

時にははっきりダメな点を指摘してあげたほうがその人のために
なることもあるんだろうけど、指摘する側と相手の先々の
人間関係を考えるとなかなか言えないよね。
自分の事は置いといて、相手のために批評してあげる、なんてのは
匿名での無責任な攻撃か、編集者さんみたいなある意味指導の
プロって立場じゃないと。

虎とかメロンがアフィリエイト始めたら、同人誌全般に割と正統な
批評するサイトとか出てくるかも。ちゅか、それ俺がやってみたい。
現状って、ちゃんと同人誌の批評をするインセンティブがないのよね。
2ちゃんねるで好きな作家をプッシュするか、気に入らない作家を
叩くか、くらいしか。ウチみたいな規模の小さなサークルは
褒められないし叩かれないので、売り上げと自己判断でしか
出来不出来が解らない。まあ、結局私も、「俺ってどう?」と
いうのが聞きたいだけなんですけどね。

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