2009年11月25日水曜日

労働意欲と婚姻制度

少し前は男性が労働意欲があり、女性が家事育児を
嫌ったため、男女平等とは「女性も男性同様の労働を
可能にしてほしい」という運動だった。

現代においては、男女ともに労働意欲がないので、
男女平等は「男性も労働をせず家事育児に専念することを
可能にしてほしい」という運動になりつつある。

昨今の労働問題は、「働く場を求めてるんだろ?」
「頑張るなら働く場を提供してやるよ?」という
何ともズレたものになっているけれど、誰も
働きたくなんかないんです。
「イヤでイヤで仕方ないけど、現実問題働かないと
食っていけない」から仕方なく働こうかって人に
「働きたいのか?頑張れるか?」って言っても
表面上「頑張ります!」としか言えないでしょ。

働きたくない男女間において、結婚するという事は
「どちらかが労働を免除される」という希望です。
多くの場合、その立場は女性側になるんだけど。

勿論、出産は女性しか出来ないし、それに伴う苦痛が
とても大きいのも理解できる。だから、女性が
労働を免除される形になっているのだけど、
「10か月(×子供の数)の苦痛」と、
「30年の労働」を天秤にかけて、本当に釣り合う
ものだろうか?という疑問が沸くんです。
女性が出産しないならば、二人で15年働いて
15年遊べばいいのでは?と思えるけど、
それだと30年後に困ることになる。

だから、結局は男性が体感することが出来ない
出産の苦痛、というのをどれだけ評価するか、という
問題に帰するんじゃないかなと思うんです。

結局、先の事を考えない人と、労働に対して前向きな
男性及びそのパートナーだけが結婚して子供を作れる。
出産も労働も両方行う勝間和代のような人は、やはり
特殊な能力者なのだと言える。

まあ、出産したから労働は免除されるだろう、と
喜んでたら夫の収入に不満が出て、
又は子供に手がかからなくなったら暇でする事がなく
パートタイムの仕事をすることになる主婦も
多いのだけど。

異論も多いと思いますが、育児と労働はイコールで
考えるものとします。女性がパートに出る分は
男性も育児を手伝う、ってのが今時の家庭
なんでしょうけど。
男性と女性、二人で育児を完全に分担するためには、
5年ほど無収入になっても大丈夫な貯金と、
5年後二人で家計を支えられる職のアテが必要になります。

自分が男だから、男性寄りの意見になってるのは
重々承知ですが、メインで言いたいのは実は
男女平等じゃなく「男も女も働きたくないってのが
問題なのであって、金の問題じゃないのよ少子化は」
ということ。いや、金の問題もあるんですけどね。
育児の代償に政府から貰える2万数千円と、
労働の代償に会社から貰える2万数千円は
違うのよ。

どうすればいいかと言うと、企業内所得格差を制限する
というのはどうだろう、と思うのだけど。
年功序列の緩やかな調整、と言えば解り易いかな。
例えば、年収900万の社長と年収300万の若手が
10人居る会社では、社長の年収600万にして、
若手の年収を330万にする。
要は、今時はトップとボトムで3倍差が当たり前だけど、
これを2倍程度まで落とす。
基本的に沢山給料を貰ってる人が権力者だろうから、
あの手この手で自分の取り分を大きくしようとする
だろうけど、その辺はCSRってことで突っぱねるしか。
で、一人あたりの基本給が上がれば、時短労働も
受け入れられ、男女ともに子育てがしやすくなるのかなと。

予想される反論とそれへの答え:
「そんなことしたら皆出世意欲なくして働かなくなるよ」
→若手は既にみんな出世意欲なんかありません

「年配の人は、老後の蓄え作らなきゃいけないんだよ」
→若手だって出産・育児費用が必要なんです

「俺らは先々回収できると思ったから若い頃頑張ったんだ」
→先々回収できないと思ってるから今の若い人が頑張らないんです

「それって共産主義じゃね?」
→あれ?学生紛争とかで資本主義を攻撃してたのって
 あなた方の世代じゃなかったでしたっけ?

「お前らがどうなろうと知った事か、俺に金をよこせ」
→奇遇ですね。わたしたちも同じ事言おうと思ってました

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